福田正博が考える
Jリーグ放映権「2100億円」の有効な使い方 (5ページ目)
現在、世界最高額の放映権料を手にしているのは、イングランドのプレミアリーグで、その額は2016年からの3年契約で総額95億ユーロ(約1兆735億円)。1年で約3600億円を手にし、降格したカーディフでさえ7600万ユーロ(約106億円)の放映権収入を得ている。
これに次ぐのがブンデスリーガで、2016‐2017年シーズンは8億3500万ユーロ(約948億円)の放映権料を手にし、バイエルンは3700万ユーロ(約51億円)の分配金を受け取っている。
こうした桁違いの額と比べたら、10年間 2100億円という放映権契約は霞んでしまうが、現時点での世界のサッカーシーンにおけるJリーグの立ち位置を考えれば、これだけの値がついたのはJリーグにまだまだ可能性が秘められているからだろう。しかも、今回の2100億円はあくまでも最低保証額。Jリーグの輝きが増すほど、金額が増える契約になっている。
日本サッカー全体が、再び上昇曲線を描けるかは、Jリーグによるところが大きい。それだけに、この先さらに価値あるリーグへと発展できるように、Jリーグが改革の手を打つことに期待したい。
構成/津金一郎
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
5 / 5