小倉「解任」に思う。指導者育成なくして
日本サッカーの未来は拓けない
福田正博 フォーメーション進化論
今シーズンから名古屋グランパスを率いていた小倉隆史監督が、8月に事実上の解任となった。今季のJ1リーグにおいて3番目(開幕時点)に若い43歳と、フレッシュな登用に期待を寄せていただけに、プロの世界は結果がすべてとはいえ残念なことだった。シーズン途中で名古屋指揮官の座から退いた小倉隆史監督 Jリーグや日本代表で監督をするには、S級ライセンスが必要になる。これはJ1でも、J2でも、J3でも同じだ。プロ野球のように誰でもなれるわけではなく、日本サッカー協会の講習を受けて、資格を取得した者だけができる。ただし、これはあくまで監督としてのキャリアを踏み出すための第一歩でしかない。
監督の仕事というのは、スターティングメンバーを決め、試合中は3人の交代枠を使い、チームを勝利に導くことと思われている。もちろん、そうした側面もあるが、それはほんの一部分に過ぎない。監督の仕事の多くは、サポーターやメディアの目が届かない、試合以外のところに大半がある。
そのひとつである「チームマネジメント」も言葉にするとひと言で済んでしまうが、実際にやるとなると、実に膨大な労力を要する。
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