【恩田社長の600日】クラブライセンス制度がFC岐阜に残したもの (6ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 これが実現するのは、ライセンス制度において「天然芝のグラウンド2面」が必須項目になる時かもしれません。行政もライセンスを剥奪されるわけには行かないので、動かざるを得ません。しかし、一民間企業のFC岐阜に頻繁に配慮するのには、限界があると思います。ぜひ、行政のことを慮(おもんばか)って、「毎度毎度、勘弁してくれ」とならないよう、制度の変化は緩やかにしていただきたいと思います。

 そして何より、Jリーグ自身の社会的地位を向上させることが、行政を動かし、地方クラブの力となります。行政の側面支援あってこその地方クラブの繁栄で、地方クラブの繁栄がJリーグ全体の繁栄につながると思います。

 そんな正のスパイラルを回すことが、ライセンス制度の真の役割なのかもしれません。

(つづく)

【profile】
恩田聖敬(おんだ・さとし)
1978年5月10日、岐阜県生まれ。岐阜北高―京都大―京都大大学院を修了し、2004年にネクストジャパン入社。ゲームセンター店長など、アミューズメント、エンターテインメント系の仕事に従事し、キャリアを積む。2012年、ネクストジャパンホールディングスがJトラストに吸収合併されて、同社に移る。2014年から岐阜フットボールクラブ代表取締役社長に就任。2015年1月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症を公表し、2015年11月、社長退任を発表した。2016年6月30日に「株式会社まんまる笑店」を設立。代表取締役社長に就任。

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る