川崎、鹿島、浦和、広島ほか、J1クラブの好不調を福田正博が分析 (3ページ目)
最終目標が年間王者である浦和にとって、遠藤がリオ五輪で離脱する期間に真価が問われることになるだろう。好調なチームから選手がひとり抜けるだけで、別のチームのように変わってしまうことがある。ペトロビッチ監督がどういう方策でチームの調子を落とさずに、乗り切るのか楽しみでもある。
予想外に苦しんでいるのがガンバ大阪だ。ACLの影響もあるだろうが、6位という順位に満足できるチームではない。アデミウソン、パトリック、宇佐美貴史が揃う攻撃的なサッカーでリーグを盛り上げてくれることに期待していたが、13節を終えてアデミウソンは4得点、宇佐美は2得点。パトリックはゼロ。昨年12得点したパトリックがこの状態では、チームが波に乗っていけないのもうなずける。
サッカーは、すぐれた個人能力を持つ選手を単純に足していっても、チーム力アップにつながらないということをあらためて思うと同時に、本当に難しいものだと考えさせられる。ただし、G大阪は例年スロースターターな面があるだけに、ここから新設の吹田スタジアムのピッチで躍動し、巻き返してくれると信じている。
昨季王者のサンフレッチェ広島も、ACLの影響や主力に負傷者が出たこともあって8位と出遅れた。だが、2ndステージに照準を合わせてこれから調子を上げてくるだろう。巻き返しを期す広島にとって、新加入のピーター・ウタカの存在は大きい。13節までの得点ランキングでトップを走る10ゴール。
ウタカの能力が高いことは昨季まで所属した清水でのプレーでわかっていたが、これほど早く広島のスタイルにフィットして結果を残すとは、驚きでもある。ウタカを中心とした攻撃陣と守備陣が噛み合い出せば、順位が上がってくるだろう。
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