川崎、鹿島、浦和、広島ほか、J1クラブの好不調を福田正博が分析
J1は1stステージの優勝争いが佳境を迎えている。今回は開幕してから約3カ月が経過したJリーグについて振り返りたい。
J1は1stステージ全17節のうち、13節終了時点で川崎フロンターレが首位に立っている。開幕前のキャンプで風間八宏監督が、「今シーズンは守備を強化している」と語っていたとおり、例年よりも守備陣が奮闘している。開幕直後こそ失点がかさんだものの、シーズンが進むにつれて守備が安定した。
その原動力が今季からチームに加わった奈良竜樹。DFラインの中央で存在感を発揮していたが、第12節の神戸戦で左脛骨を骨折して全治4カ月。リオ五輪も絶望的な状況となり、風間監督はもとより、U-23日本代表を率いる手倉森誠監督にとっても痛い離脱になった。
奈良の抜けた穴をどうするかが、今後の川崎にとっての課題だろう。谷口彰悟をDFラインに下げるなどで対処するのだろうが、好調なチームが中心選手ひとりの離脱によって歯車が狂うケースは多々あるだけに、風間監督の今後の手腕に注目したい。
その川崎を追って2位につけている鹿島アントラーズは、手堅い試合運びで勝ち点を積み重ねている。U-23代表のCB植田直通が飛躍的に成長して、闘志をむき出しにしたプレーでピンチを防ぎ、日本代表CBの昌子源とのコンビネーションもいい。開幕からゴールマウスを守るベテランの曽ヶ端準は、今季から加入した若いGK櫛引政敏の存在が発奮材料となり、再び全盛期のようなプレーを見せている。
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