ヒントは浦和にあり。福田正博が提案する「日本らしいサッカー」

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 前回まで「ポゼッションサッカー」「カウンターサッカー」について考察してきた。

 2010年のW杯南アフリカ大会前後は、クラブ単位でも国単位でも世界のトレンドは、バルセロナとスペイン代表を頂点とする「ポゼッションサッカー」にあった。しかし、2014年W杯ブラジル大会を機に、世界の潮流は「ポゼッションサッカー」から「カウンターサッカー」へと移行している。

ハリルホジッチ監督が指揮を執る縦に速い攻撃を狙う現在の日本代表ハリルホジッチ監督が指揮を執る縦に速い攻撃を狙う現在の日本代表 日本代表もザッケローニ元監督のもとで磨いたポゼッションサッカーから、アギーレ前監督とハリルホジッチ監督のもとで世界的なトレンドである"縦に速い"ショートカウンターへとスタイルが変わりつつある。

 ただ、W杯ブラジル大会以降の日本代表を見ていて、ある疑問が幾度となく頭をもたげることがあった。それは、「果たして、日本サッカーの伝統となるスタイルを確立できているのだろうか」ということだ。

 Jリーグ創設から24年。W杯の舞台で世界の強豪国と戦うようになってから18年が経つ。この間、日本サッカーはその時々のトレンドを取り入れながら成長を遂げてきた。だが、同じ速度で世界の強豪国も進化を続けている。「世界のスタンダードだから」「世界のトレンドだから」という理由だけで同じことをしていても、追いつくことはできないのではないか。

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