ヒントは浦和にあり。福田正博が提案する「日本らしいサッカー」 (2ページ目)
振り返れば2006年にイビツァ・オシム氏が日本代表監督になった頃、日本人の良さを生かしたスタイルがクローズアップされた。それは岡田武史監督、ザッケローニ監督のもとでも継承された。
岡田監督は日本人選手の「規律正しさ」を全面に打ち出すスタイルであり、ザッケローニ監督は「敏捷性」や「器用さ」を生かすスタイルであった。たしかに、ピッチ上で表現されるサッカーは違うものではあったが、その根底にはオシム時代と同様に"日本らしさ"を最大限に生かそうとする姿勢があったと私は感じている。
「日本人の良さを生かす」。これは何も特別なことではない。ドイツ代表にはドイツの良さがいつの時代にもあり、イタリア代表にはイタリアならではのサッカー観が根底にある。ブラジル然り、アルゼンチン然り。世界でサッカー強豪国と言われる国には、確実にその土壌でしか培われないものがスタイルや伝統として脈々と受け継がれている。
では、日本人の良さはどこにあるのか? それは、海外リーグで評価されている日本人選手たちが示してくれている。
たとえば、プレミアリーグ優勝を果たしたレスター所属の岡崎慎司は、その「献身性」と「運動量」で、インテルのSBで活躍する長友佑都は、90分間動き続ける「スタミナ」や「俊敏性」が評価されている。またブンデスリーガでは、「規律正しい汗かき役」の長谷部誠や、「高い技術」を生かして前線で得点に絡む香川真司がいる。
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