37歳・中村俊輔のキック技術を超える選手は、いまだに現れない
最近の日本サッカー界では、若くして台頭してくる人材が減少傾向にある。
8月のリオデジャネイロ五輪を目指すU-23代表世代を見ても、すでに日本代表(A代表)で試合出場の経験があるのは、MFの遠藤航(浦和レッズ)、南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、FW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)くらい。歴代の五輪代表と比較しても、その数は少ない。
それはJリーグを見ていても同様で、活きのいい20歳そこそこの選手を目にする機会は相当に限られる。
では、今の若い選手が昔に比べて下手になったのかと言えば、そんなことは決してない。単純にボールを止めたり、蹴ったりするだけなら、むしろうまくなっているとさえ言えるだろう。
しかし"本当の意味で"うまくなっているのか、つまりは、実戦で使える技術をものにできているのかというと、そこには甚だ疑問が残る。
敵のプレッシャーを受けながらでも、慌てずボールを扱うことができるか。トップスピードでプレーしながらでも、ボールコントロールがブレないか。そこに加えて、敵をあざむくようなアイデアを発揮できるか。
こうした条件を踏まえて言えば、残念ながらうまい選手は少なくなっているように思う。全体的な平均点は上がっているのかもしれないが、見ていて思わずため息が出てしまうような若い選手は見当たらない。
横浜F・マリノスの背番号10、中村俊輔のプレーを見ていると、そんな現状を改めて感じてしまう。
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