実は守備的? 福田正博が解き明かす、ポゼッションサッカーの本質
サッカーの攻撃には大きく分けてふたつのスタイルがある。ひとつはボールを保持しながらパスによって相手の守備陣形を崩しながらゴールを狙う「ポゼッションサッカー」。もうひとつが守備を固めて相手を自陣へと攻めこませておいてから、ボールを奪って一気にゴールを目指す「カウンターサッカー」である。
この連載で今後の日本代表が目指すべきスタイルについて考えるにあたり、2回に分けて、あらためてこの基本的なふたつのスタイルの特徴を考察したい。
今回はポゼッションサッカーについて。ご存知のようにポゼッションサッカーは、ボールを保持しながら相手陣へと押し込み、相手陣形を崩してゴールを奪うスタイルだ。
圧倒的なボール保持率で勝利を重ねているバルセロナ こうしたスタイルで戦う代表的なチームがバルセロナであり、バルセロナのメンバーを主力に据えるスペイン代表だろう。彼らのようなポゼッションサッカーを実現するには、まずは以下の要素が必要になる。
(1) 狭いスペースで速く正確なパスが出せる技術
(2) パスをもらえる位置に動く戦術眼と判断力
(3) 技術がありスピードもあるセンターバック
まず(1)についてだが、ボールを受けてパスを出すことはプロサッカー選手にとっては朝飯前のこと。しかし、「バルサのように」となるとプロ選手にとってもハードルは一気に高くなる。
1 / 4
プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。