名波×小倉がいきなり激突。福田正博がJ1注目監督の采配を読む (4ページ目)
FW豊田陽平にキャンプ地で話を聞いたところ、「トレーニングがかなりハードで、選手全員がものすごく走りこんでいます。うちは今年、相当やりますよ」と自信をみなぎらせていた。攻撃の中心は今年も豊田で間違いないが、他の選手たちの運動量が攻守で増すため、対戦相手は手を焼くはずだ。
主力の水沼宏太がFC東京へ、主将の藤田直之が神戸に移籍したとはいえ、鳥栖が昨年よりアグレッシブなサッカーを展開すれば、上位進出も十分ありえる。また、逆に言えば鳥栖ホームの試合で苦しんだチームが上位争いから脱落していくのではないか。そう思うほど、今年の鳥栖は侮れない存在だ。
ガンバ大阪が2012年にJ2へ降格したように、Jリーグは優勝を狙える上位陣も含め、どこが残留争いに加わってしまっても不思議のないリーグだ。そのため、まずはどのチームも残留のボーダーラインとなる「年間勝ち点40」を目指すことになる。
この数字を1試合でも早くクリアできればいいが、ちょっとしたことが原因で開幕後から数試合勝ち星に恵まれないケースも、もちろん起こりうる。当然、各監督はそうしたことも想定してチームを作ってきているだろう。勝敗にこだわると同時に、サポーターは長い目でチームを見守り、スタジアムで試合を楽しんで、選手たちを応援してほしい。
>>福田正博氏が優勝争いをする上位陣を分析。記事はこちら
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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