【フットサル】9連覇直後、名古屋はなぜエース森岡薫をクビにした? (2ページ目)

  • 河合拓●取材・文 text by Kawai Taku  photo by AFLO

 名古屋もその活躍を認め、フットサル選手としては破格の給与を支払い、森岡は名実ともにリーグ最大のスタープレーヤーとなった。36歳でキャリアの終盤に差し掛かっているとはいえ、絶対王者・名古屋のなかでも森岡のピッチ内での貢献度は依然として高い。

 9連覇を達成した2015-16シーズンも、プレーオフ進出が決定的になった後に左足関節遊離体の手術を行ない、戦線離脱する時期はあったが、チーム最多の32ゴールをマーク。リーグ全体の得点ランキングでも2位となり、ベスト5に選出された。W杯で史上初の8強を目指すミゲル・ロドリゴ監督率いるフットサル日本代表でも、その決定力は欠かせないものとされている。

 W杯イヤーを迎えることもあり、森岡には名古屋を自ら離れる意思はなかった。府中戦後のミックスゾーンでは、開幕前に行なわれたキックオフ・カンファレンスでのことを振り返り、来季以降も名古屋でプレーする意思を示していた。

「キックオフ・カンファレンスで、チームを代表して意気込みを語りました。そのとき、『僕が名古屋でプレーしている限り、連覇し続ける』と話していたんです。その公約が守れたので、今はホッとしています。連覇が途切れていたら、名古屋を辞める覚悟を持っていました。そういう意味でも、連覇にかける思いは誰よりも強く持っていました。まだ名古屋でプレーしたいのに、辞めないといけないふうに自分を追い込んで自分にプレッシャーをかけていたので、本当にホッとしています」

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