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サンフレッチェの敗戦に「世界との差」という結論づけは必要ない (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 善戦はするが、勝ち切れない。そのたびにこんな声が聞こえてくる。

 いわく、「そのわずかな差が世界との大きな差」。何度となく聞いた話だ。

 だが、そうした声が聞かれるのは、あまりに相手をリスペクトし過ぎているからではないだろうか。「世界」と「自分たち」とをそれぞれ別次元に置き、過度に「世界」を持ち上げてはいないだろうか。

 そこにあるのは、勝利の妨げにしかならないコンプレックスでしかない。

 今回の準決勝を例にすれば、実力上位だったのはリバープレートだ。10回対戦すれば、より多く勝つのはリバープレートのほうだろう。

 しかし、10回やって、広島が一度も勝てないほどの力の差があったわけでもない。例えば、前半に何度か訪れた皆川のシュートチャンスは、「(リバープレートの)DFラインが不安定というスカウティングが入っていた」(DF千葉和彦)からこそ、DFラインの背後を狙うことで生まれたものであり、決して偶然ではない。

 接戦は必然であり、勝負はどちらに転ぶかわからなかった。にもかかわらず、結果を受けて「勝ち切れないのが、世界との差」で結論づけてしまったのでは、せっかくの接戦も意味がない。

 冷静に試合内容を振り返れば、広島が勝つべき試合だったとまでは言わないが、「負けるべくして負けた」とは、とても思えないのである。

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