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高校サッカー界屈指の練習量を誇る国見。その驚愕の「夏合宿」 (5ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • photo by AFLO SPORT

――制約があるからこそ、必死になったり、工夫したりするようになる。そうして、状況判断や考える力も育まれる、ということですね。

「そうですね。そういう意味では、今の子どもたちに"その部分"をどうやって身につけさせるか、というのは課題。水分補給はもちろん、トレーニングなども科学的になって、何不自由なく、厳しい環境に置かれることが少ない。それで、技術的にはうまくなっているのは確かだけど、でも"その部分"がないと勝負には勝てませんからね。

 至れり尽くせりの時代に、どうすればハングリー精神を注入できるのか。僕も、スクールなどで子どもを教えるときには、いつも意識していることです」

――ところで、国見高と言えば、試合などの遠征の際に、小嶺監督が自らバスを運転していたことで有名です。夏の遠征でもやはりそうだったんですか。

「そうです。遠いところでは、岩手県まで行ったんじゃないかな。どこと試合をしたとかは覚えていないけど、わんこそばを食べた記憶がありますから。そのときも、試合並みに必死でしたよ。監督がじっと見ているから、たくさん食べないと叱られると思って、懸命に食べました。

 小嶺先生はやっぱりすごい人だと思います。朝から晩まで試合をやって、僕らは移動中のバスの中では寝てしまっていましたけど、先生はずっと運転していましたからね。遠征先に行けば、現地の学校の先生たちとの付き合いなどもあったはずで、寝る時間は相当遅かったと思うんですよ。それでいて、朝は僕らよりも先に起きていましたからね。改めてすごいと思います」

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