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高校サッカー界屈指の練習量を誇る国見。その驚愕の「夏合宿」 (6ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • photo by AFLO SPORT

――水も飲ませてもらえず、ずっと走らされても、ですか?

「当時は、それが当たり前だと思っていましたから。それに、自分たちはみんな、丸刈り頭で、あんなに走ったんだから、都会のお洒落な学校なんかには『絶対に負けねぇ!』という、強い気持ちも備わりました。その分、大会になれば、『優勝して当たり前』と思っていました。試合中、きつい状況に陥っても、あれだけすごい練習をしたんだから、と思ってがんばれましたね」

――それは、プロになってからも生きていましたか。

「もちろんです。だって、国見の夏合宿以上の練習をしたことがありませんから。つらいとき、きついときは、高校時代のことを考えました。試合で苦しい場面を迎えても、『タヌキ山』のことを思い出せば、また走ることができた。あれをやったんだから、と思えば、どんなことも乗り切れます。(大久保)嘉人なんかも、きっとそうだと思いますよ。僕が、17年間も現役でプレイできたのは、間違いなく国見高での練習のおかげです」

――では最後に、この夏、もう一度、国見高の「夏合宿」に参加しろ、と言われたら、どうしますか?

「絶対に、嫌です(笑)。とても、無理です......。でも、もしも息子がいて、本気でサッカーをやりたいと言ったら、国見高に行かせるかもしれません。きついですけど、学べることがたくさんありますから」

三浦淳寛(みうら・あつひろ)
1974年7月24日生まれ。大分県出身。サッカー解説者。国見高、青山学院大を経て、Jリーグの横浜フリューゲルス(1999年に消滅)入り。以後、横浜F・マリノス、東京ヴェルディ、ヴィッセル神戸、横浜FCなどで活躍。左サイドバックとして、日本代表でも奮闘した。国際Aマッチ出場25試合1得点。国見高1、3年時に高校選手権優勝。

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