勇躍サンフレッチェ「浦和を止められるのは、広島だけ」 (3ページ目)
ファーストステージでは浦和の後塵を拝したが、年間王者の座は簡単には渡さない。46歳の若き指揮官が、そんな強い意志を明確な言葉にすれば、殊勲の浅野もまた、こう語った。
「浦和を止められるのは、広島しかいないとチーム全体で考えていた」
この逆転勝利で広島はセカンドステージ3連勝で首位に立ったばかりか、年間順位でも首位・浦和に勝ち点2差(2位)と肉薄した。
加えて言えば、そうした目に見える数字上の成果以上に、広島にとっては自力で浦和を止めたことの意味は大きかったはずだ。
浦和を止められるのは広島だけ――。
その自負を現実のものとした、心理的効果は見逃せない。
試合後、アウェー側ゴール裏では広島の選手とサポーターとが一体となって歓喜に沸いた。数人の選手は着ていたユニフォームをスタンドに投げ入れたほどで、これほど喜びが爆発する様子をリーグ戦の1試合で目にすることはそうそうない。この1勝が、彼らにとってどれほどの価値を持っているかを物語る。
しかし、一時の歓喜に浸ったあと、選手たちは再び表情を引き締めた。GK林卓人は語る。
「まだ道なかば。シーズンは中盤だし、セカンドステージだけを見ても3試合が終わっただけ。まだ戦いが続くという覚悟ができた試合だった」
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