福田正博が分析。無敗優勝の浦和レッズ、好調の3大要因
浦和レッズが6月20日の神戸戦(J1第16節)に1-1で引き分けて勝ち点1を積み上げた。これで開幕からのJリーグ無敗記録を16試合に伸ばし、1stステージ優勝を決めた。
無敗で1stステージ優勝を決めた浦和レッズ 今シーズンの浦和は、順調なスタートを切ったわけではなかった。リーグ開幕前に行なわれたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の水原三星戦は1-2。フジ・ゼロックススーパーカップはガンバ大阪に0-2。さらに、3月4日のACL・ブリズベン・ロアー戦で0-1。ケガ人がいたことや、新しい選手が加わったことによる連係不足などもあって、公式戦3連敗で3月7日のJリーグの開幕戦を迎えた。
しかし、開幕戦の湘南ベルマーレ戦、2節のモンテディオ山形戦で、試合終盤まで同点でも焦ることなく戦い、そこから勝ち越しゴールが生まれたことで、次第にチームの歯車が噛み合っていった。
ここまでの浦和の好調を支えている要因のひとつ目は、昨季から不動のメンバーで組む守備陣の安定だろう。GKの西川周作、3バックの那須大亮、槙野智章、森脇良太、ボランチの阿部勇樹は、拮抗した試合でも焦(じ)れることなく、チームに安定感をもたらして、開幕前の不調から立ち直った。
なかでも、森脇と槙野が精神的にひと回り成長した。2選手ともに、昨年までは得点を奪えない展開になると、自分がゴールを奪おうと攻め上がり、そのスペースをつかれて失点を喫するケースがあったが、今季は我慢強く守備を優先させている。
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