2015.06.23

福田正博が提言「ハリルホジッチ監督にオススメのアジア対策」

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Takahashi Manabu

6月特集 ブラジルW杯から1年 ~日本代表と世界はどう変わったのか?~(11)
 日本代表のW杯アジア2次予選の初戦、シンガポールとの試合は0-0。ヴァヒド・ハリルホジッチ監督が指導するトレーニングの成果と、「言われたことを忠実に実行する」という日本人のメンタリティが、悪い方向へ色濃く出てしまったと思う。

W杯予選初戦のシンガポール戦でスコアレスドローに終わった日本代表 ハリルホジッチ監督が就任後最初に手をつけたのが、「縦に速く」という意識を選手に植えつけることだった。それ以前の日本代表は「パスをつなぐ」ということの優先順位が高くなりがちだったため、ゴールを奪うために「縦に速く」というシンプルな考え方への修正に取り組んできたわけだ。

 さらに、就任から短期間にもかかわらず、規律を非常に重んじることで選手たちへの意識づけを徹底することができた。だからこそ、親善試合では結果を残すことができたし、それは「世界のスタンダードなサッカー」へ近づくための取り組みとして間違ってはいない。

 だが、就任してからの時間が少なかったこともあって、日本人選手特有のメンタリティや、日本サッカーがアジアで置かれている状況に対して、ハリルホジッチ監督の理解がまだ不足している部分もあるように感じた。

 シンガポール戦の日本代表は「縦へ、縦へ」の意識が強く、その結果、攻撃が中央からの一本調子になった。もちろん、攻撃の優先順位として、最初に縦を意識するのは間違いではない。だが、ゴール前に人数をかけて守備ブロックを形成している相手に対しては、サイドを使いながら揺さぶりをかけなくては、そうそう崩せるものではない。