福田正博が分析。無敗優勝の浦和レッズ、好調の3大要因 (2ページ目)
好調の要因のふたつ目は、新加入選手の活躍だ。昨シーズン終盤に露呈した「興梠慎三が抜けたときの得点力不足」という課題を、FWに補強したズラタン(前・大宮)、武藤雄樹(前・仙台)がその力を発揮して解決した。
同じく今年加入した石原直樹(前・広島)は4月中旬の試合中に負傷して離脱したものの、ズラタンが「高さ」という新たな武器を前線にもたらし、「ドリブル」で仕掛けることができる武藤は、攻撃のアクセントになった。とくに武藤は、今季一番の驚きと言える。新たに加わった選手たちの中で、彼ほどペトロビッチ監督のサッカーにフィットしている選手はいない。
また、前線のタレントが豊富になったことで、昨季は2列目の攻撃的MFで起用されていた柏木陽介のポジションを1列下げることができるようになった。そのため攻撃の組み立てが安定し、新たに加わった前線の選手たちとフィットし始めると、チームのゴール数も増えた。
3つ目は、右MF関根貴大の成長だ。昨季までの浦和は、右サイドからのクロスやドリブル突破が少なく、対戦相手にすれば浦和の右サイドからの攻撃は「怖さ」がないため、中央や左サイドからの攻撃を重点的にケアすればよかった。それが今季は、20歳の関根の台頭で、右サイドからの1対1の仕掛けやクロスという武器を手にして、攻撃のバリエーションが増えた。
さらに、両サイドの攻撃が活性化したことで、守備面にも好影響が生まれた。昨季までならサイドでボールが詰まると、中央へ横パスを入れたところを奪われてカウンターを受けるシーンが多く見られたが、今季はサイドからシンプルにクロスを上げることができているので、カウンターを受けるリスクが大きく減っている。
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