柏・工藤壮人「海外勢との戦いで問われるのは適応力」 (3ページ目)
「山東は10番をつけたアルゼンチン人選手(ワルテル・モンティージョ)が上手くて、危険でしたね。試合後のロッカールームでも、『いい選手がいる』と選手の間で話題になっていました。2013年に対戦した広州恒大もそうでしたが、とくに中国での試合は、外国人選手が仕掛けて攻撃が始まると、一気に火が付いたようになってチームの勢いが増すんですよ」
第4節、敵地に乗り込んだ山東戦は4-4と引き分け、勝ちきれなかった。一度は工藤がレアンドロのパスから抜け出し、GKの鼻先を破って逆転した。ところが3-1とリードしてから、前半のうちに3-3と追いつかれてしまった。
「(吉田達磨)監督もハーフタイムに言っていましたが、“45分間、お互い殴り合うような試合展開”でしたね。ゲームを落ち着かせなければならなかったんですけど」
工藤は試合を回顧する。
「3-1でリードしたときはアウエーの状況だったので、少し満足してしまったというか。もっとじっくりボールを回しても良かったですね。“前にスペースがあるから一本のパスでゴールまで”と狙ってしまって。そこを引っかけられて攻撃を浴び、奪い返してもまた前に蹴ってしまい……悪循環でした。ボールホルダーが、近くを見えなくなっていましたね。“つなげていこう”という理解はチームとしてあったんですが、一人が狙うと全体の歯車も噛み合わなくなってしまう。戦い方をチームとしてオーガナイズしないと」
4試合で2勝2分けでも、工藤に浮かれた様子はなかった。
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