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東日本大震災から4年。「東北人魂」小笠原満男の想い (2ページ目)

  • 佐野美樹●取材・文・撮影 text&photo by Sano Miki

 バスから降り、「祈りの丘」と呼ばれる小高い丘に登る選手たち。4年前にもこの地を訪れていた遠藤が、指を差しながらこの地域の被害がどんなものだったかを説明する。辺り一面に広がる荒れ地を見渡しながら、選手たちは真剣に耳を傾け、そして質問する。

「この辺に、グラウンドや体育館はあるの?」

被災地に足を運び、活動内容の検討をする選手たち被災地に足を運び、活動内容の検討をする選手たち 視察に訪れた場所の近くに体育館があると聞くと、「何人ぐらい入れそう?」「子どもは何人くらいいる?」「中高生でももちろん構わない」「ここだったら○○のチームも呼べそうだよね」と、どんどん選手たちの話が進んでいく。今までのイベントもこうして決定してきたことがほとんどだ。

 これまで多くの被災地を訪れ活動してきた彼らが、いつも気にしていること......。それは、子どもたちが元気に走り回ることができているのだろうか、ということだ。走り回っていた場所を失い、元気に遊ぶこともできず、まだ笑顔を取り戻せていないのではないか――。

 子どもたちがサッカーをしたことがなくてもいい。ボールを一緒に蹴って、いっぱい走って、いっぱい笑ってほしい。

 もちろん、サッカーをしている子どもなら、プロ選手である自分たちと触れ合って、何かを吸収して、大きな夢を見てほしい。そして、その中から、強いメンタルを持ったJリーガーが現れてほしい。そんな思いが原動力となり、彼らの活動は現在も続いている。

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