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代表強化を本気で考えたとき、Jリーグが選択すべき道 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by JMPA,Getty Images

 今回のW杯を見てもわかるとおり、世界の中での日本の立ち位置は明らかに「格下」だった。残念ながら、これは認めなければならない事実。つまり、世界の強豪を相手にするときには、日本は「格下の戦い」をしなければいけないことになる。

 そう考えると、仮にJリーグにビッグクラブが出てきて、外国人を含めていい選手をそろえたそのチームが優勝したとしても、それと同じ戦い方を日本代表に落とし込むというわけにはいかない。スペインやドイツのように世界トップレベルの国が、バルセロナやバイエルンといったチャンピオンチームの戦い方を代表チームのスタイルにして戦うのとは違って、"格下"の日本がそれをやっても世界では通用しない。まして、長身の外国人FWを連れてきて勝っているようなクラブだったら、その戦い方は、世界レベルの長身FWの人材が少ない日本代表では到底実践できない。Jリーグと日本代表をつなげていくことの難しさは、そこにある。

 それでも、日本代表が強くなっていくためには、Jリーグで選手が育っていかなければいけない。日本人選手のほとんどがJリーグでプレイしているわけだから、選手がそこでがんばって、結果を残すことは何より重要なこと。各クラブ、各選手が高い意識を持って戦っていかなければいけない。

 今のJリーグでもやっていける具体的な強化策としては、外国人枠やアジア枠(※)を増やす、海外のチームと対戦できる機会を増やすなど、とにかく違った文化やスタイルとの接点を今以上に持つ努力をすることが考えられる。それは、Jリーグだけでなく、東アジア全体で考えていかなければならないことでもある。

※現在のJリーグでは、プロ契約を締結した外国籍選手は国籍にかかわらず1チーム3名まで保有でき、さらにAFC(アジアサッカー連盟)加盟国の選手を1名(「アジア枠」)、合計4名まで登録することができる(ただし、アマチュア選手または20歳未満のプロC契約選手を登録する場合は、AFC加盟国またそれ以外の国の選手にかかわらず、5名まで登録が可能)。いずれにしても、外国籍選手の総数は5名まで。

 あとは、かつてのように週に2回試合を組んでハードなスケジュールの中でやる、あえて状態の悪いグランドでプレイさせるなど、厳しさやたくましさを身につけさせようと思えば、そんなことも考えられるだろう。しかし、それらは非現実的なことだし、選手にとってもいいことではない。いずれにしても、今のJリーグの中だけで、世界を相手に戦えるたくましさを身につけるのは、容易ではないと私は思っている。

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