柏木陽介の決意「レッズが日本サッカーの方向性を示す」 (3ページ目)

  • 河野 正●文 text by Kawano Tadashi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 今季は、埼玉スタジアムでの第2節のサガン戦で一部サポーターが差別的内容の横断幕を掲げて、Jリーグから第4節の清水エスパルス戦を無観客試合とする厳罰を科せられた。こうした悲しい出来事があっただけに、クラブの信用回復はもちろんのこと、ピッチもスタンドも熱狂的な興奮で包まれる異次元空間を取り戻すためにも、レッズにはタイトルを獲得する義務がある。選手、スタッフも当然、その思いは強い。

 ブラジルW杯の日本代表入りを目指しながら夢破れた柏木は、日本が目指すべきサッカーのお手本をレッズが見せて、その中心に自分がいる、という強い決意を示した。

「W杯を見て、世界的に名のある選手がいなくても、メキシコやチリ、コロンビアなどは、ひとりひとりががんばっていた。『個が大事』と言っていた日本は、それを勘違いして戦っていたのかな。“個”のレベルが他の国の選手と比べて、どれだけ低かったことか。日本はやっぱり、全員で守備をして、連動性のあるチームにしていかないといけない。それをレッズが実践して、レッズから日本代表選手が増えるようにしていけたらな、と思う」

 また、日本代表に選出されながらW杯で出番のなかった西川も、淡々とした口調で闘志をみなぎらせる。

「無観客試合を初めて経験し、観客を喜ばせて、Jリーグを盛り上げないといけないと痛感した。チームとしては、34試合で34失点以下を目標に全員で戦えば、必ず優勝できると思っている」

 再開初戦でぶつかるのは、アルビレックス新潟。リーグ戦では15試合負けなしという相手をきっちり下して波に乗り、Jの“リーディングクラブ”を自負する実力を、レッズには今年こそ証明してもらいたい。

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