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福田正博が考察。これから日本サッカーが進むべき方向 (3ページ目)

  • photo by JMPA

今回の日本代表は内田篤人ら海外組が過去最多のチームだったが、力を発揮できなかった今回の日本代表は内田篤人ら海外組が過去最多のチームだったが、力を発揮できなかった 要は、戦い方のバリエーションを増やしていくということだ。たとえば、相手の意表をつくセットプレー、トリックプレーで点をとるという武器があってもいいかもしれない。今よりも「引き出し」を増やすことが重要だ。

 同時に、個のレベルも上げていく。とくにセンターライン、つまり、ワントップ、ボランチとセントラルMF、センターバック、GKだ。このポジションでも欧州のビッグクラブで活躍する選手が出てきてほしい。

 その個の力をベースに、日本はチームとしての連動、組織力で勝負していくべきだ。連動性や組織力を高めるためには、選手が時間を共有することがまず必要になる。ただ、現在の代表チームは選手が各国リーグで活躍しているため、集まる時間が限られてしまい練習時間の確保が難しい。そのため、ヨーロッパでの代表合宿や強化試合を頻繁にできれば、それが解決策のひとつになるかもしれない。

 また、攻撃でも守備でも大切なのはバランス。たとえば、カウンター攻撃のトレーニングは守備をすることから始まる。どこで奪うか、どうやって奪うかを練習していい守備をしないと、いいカウンター攻撃にならない。反対に、いい攻撃をしていないといい守備はできない。つまり、攻撃と守備はひとつながりのものということを理解して、攻守の切り替えの速さをもっとレベルアップすべきだろう。

 スタイルや戦い方というものは、そのチームにいる選手の顔ぶれにもよる。ブラジルW杯でのアルゼンチンは、メッシを中心に攻撃陣にタレントが豊富なので、攻撃的なチームになっている。ブラジルは、チアゴ・シウバらDFラインにタレントが揃っているので、守備が武器になる。今いるメンバーで勝つためにどうするか。それも考慮に入れてチームをつくっていくことも考えなくてはいけない。

 過去、W杯で優勝している8カ国(ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、イングランド、ウルグアイ、スペイン、フランス、イタリア)に共通していること、それは、サッカーがその国のナンバーワンスポーツであること、サッカー大国であることだ。日本サッカーがW杯で優勝を目指すのであれば、サッカーが野球と肩を並べるぐらい人気のある競技にならなくてはいけない。

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