福田正博が考察。これから日本サッカーが進むべき方向

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 3試合で2敗1分け。日本代表はブラジルW杯でグループリーグ敗退という結果に終わった。

日本は本田圭佑ら選手が優勝を目標にしていたが、グループリーグ敗退で終わった日本は本田圭佑ら選手が優勝を目標にしていたが、グループリーグ敗退で終わった 日本サッカー界は、まだまだやらなくてはいけないことがある。それが今、あらためて思う率直な感想だ。W杯で結果を残すことの難しさを誰もが痛感したのではないだろうか。

 今回のW杯での日本代表は、結果も内容も残念なものになってしまった。もっとも残念なのは試合内容だろう。とくに初戦のコートジボワール戦(1-2)、日本は何もできなかったに等しい。もっとやれると選手たちも思っていたはずだ。そう思っていただけに、ショックが大きかったのではないか。

 2戦目のギリシャ戦(0-0)は、勝たなくてはいけないという意識が強くなって攻め急ぎ、結局攻撃がうまく機能しなかった。

 3戦目のコロンビア戦(1-4)は、後がない状況になって開き直り、攻撃することに極端に針がふれてしまっていた。とにかくシュートに意識がいきすぎ、何でもかんでもシュートにいこうとして、パスやフリーランニングなど、そのほかのプレーを選択する判断がなくなってしまっていた。そのため、やや荒っぽい展開になって、攻守どちらもバランスが悪かった。

 もちろん、アグレッシブであることは重要で、3戦目がもっともいい試合内容だったと思うが、それを初戦からできなかったことが悔やまれる。3戦すべて冷静に戦えていなかったという印象だ。

 3試合あれば、3連敗することも、逆に3連勝することもありえるのがサッカーというスポーツだが、力関係で相手チームが日本を上回っていれば、後手をふんでしまう局面が多くなる。すると、どうしても体力を消耗してしまう。W杯では、日本選手の身体も頭も疲れてしまっているように見えた。では、後手をふんでしまった原因はどこにあるのか。コンディション調整の問題もあるかもしれないが、ひとつには、「自分たちのサッカー」にとらわれすぎたと私は思っている。

 サッカーという競技は相手がいる。その相手が、日本の長所を消すようなプレーをしてきたとき、つまり、こちらがやりたいことをやらせてくれないときにどうするのか。その対応策ができていたのかどうか。日本代表の長所であるパスをつなぐこと、コンビネーションにこだわりすぎて、かえって窮屈になって柔軟性を欠いていたのではないだろうか。

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