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再スタートした浦和へ「ミスター・レッズ」福田正博の願い (3ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburou/AFLO

 サポーターの声援があること、自分のプレーに対して観客から反応があること。選手はそれでのっていけることがある。スタンドにサポーターがいれば、1-1の同点になった後半、もっと浦和が押し込んでいく可能性は高かったと思う。そういう部分の影響は間違いなくある。選手にとって、サポーターの声援があることで集中力が増すということもある。無観客では、やはり集中力は高まっていかない。

 サポーターの声援は、自信が持てないとき、勇気がないときに、選手の背中を押して、奮い立たせてくれる。苦しくても、あと一歩が出る。あと1分頑張ろうという気持ちになる。それは、サッカーだけではなく、あらゆるスポーツにあてはまることだろう。

 選手はいいプレーをして、それを見てもらってこそ。なぜならプロのアスリートはそれが仕事であり、それで報酬を得ているのだから、そこに力を注ぐのは当然のことだ。今回、自分のプレーをサポーター、ファンに見てもらえなかったことの寂しさを味わった選手も多いはずだ。

 5万人、6万人が自分のプレーを見ていると感じるときの高揚感、あるいは、ゴールが決まった後の喜びも、観客がいるといないでは大きく違う。やはり大観衆の中でプレーしたい。それが選手の本音だと思う。

 今回の無観客試合は、20年以上前、私が社会人リーグでサッカーをしていたころを思い出すような、選手の声とボールの音だけが響くスタジアムだった。

 二度とこうしたことが起こらないように、浦和レッズが、クラブとして本気で改革に取り組んでいくことを願っている。

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