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再スタートした浦和へ「ミスター・レッズ」福田正博の願い (2ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburou/AFLO

 浦和レッズの20年以上の歴史のなかで、人種差別表現問題以外にも、対戦したチームのサポーターとのいざこざなど、さまざまな問題があった。いいものも悪いものもあるわけだから、そこをしっかり考えて、サポーターとクラブの関係を築いていく。そのために、相当な覚悟と、リーダーシップをもってやっていかないと、そんなに簡単に再スタートできるものではないと思う。応援のあり方も考えていなかないといけない。これまでやってきたことをふまえて、しっかり変革していけるのかどうか。

 そもそも、クラブが問題の横断幕をすぐに撤去できていれば、この問題はここまで大きくなっていなかったはずだ。差別的な行ないを容認してしまったという意味で、クラブとしての浦和の責任問題がもっとも大きい。

 この先、社長が代わっても、クラブスタッフが代わっても、クラブとして継続して今回のような問題にどう対処していくか。そこに痛みが伴うこともあるだろう。血が流れるような、身を切る対策を講じていく覚悟が、クラブとしてあるのか。多くの人に見られていることを常に意識しなくてはいけない。つまり、プロのスポーツクラブとしての組織運営が不可欠になる。クラブをひとつにまとめて、牽引していくリーダーの存在も必要になると思う。

 人種差別があってはならないということは、当たり前すぎて問題にする以前の話だ。つまり、そういう行ないをするサポーターは論外で、あのような行ないをする時点で、もはやサポーターとは言えない。繰り返しになるが、そうした人がスタジアムに入ることをクラブが容認してしまったことが最大の問題だ。

 今さら言っても仕方のないことではあるが、浦和は、前回処分を受けた4年前のことを教訓として生かして、しっかり対応をしておくべきだった。

 浦和対清水の無観客試合(3月23日)は、私も現場で中継の解説をしたが、サポーターの声援がないことで、選手のパフォーマンスへの影響はあったと思う。何人かの選手も言っていたが「練習試合のような雰囲気」で、サポーターの後押しがない。現場にいても、まるでテレビで見ているような錯覚におちいった。

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