Jリーグ序盤戦総括。そして今後が楽しみなチームは?

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 開幕から8節までが終了して、各チームの力や勢力図が少しずつ見えてきたJリーグ。J1の序盤戦を福田正博氏が振り返る。

■大宮の無敗記録更新の要因

 今シーズン、無敗記録を更新中の大宮が躍進している。私自身、大宮は昨シーズン最後までずっと負けないでいたこともあって、開幕前の予想でダークホースに挙げていた。ただ、ここまで無敗が続くとはちょっと予想していなかった。サプライズと言ってもいいだろう。

 やはり、ベルデニック監督の手腕が大きいと思う。守備をしっかり固めて速い攻撃ができている。そうかといって、速い攻撃だけではなく、ボールもしっかりつなげる。ポゼッションを高めるというよりも、ゲームをコントロールするための保持という印象だが、チーム全体の統率がとれている。

埼玉ダービーに勝利するなど、無敗で首位に立つ大宮埼玉ダービーに勝利するなど、無敗で首位に立つ大宮 要因としてはチームとしての守備の安定がある。守備に関しては、全員でハードワークしてラインを高くしてコンパクトにする。大崩れするようなサッカーではない。このまま独走しそうな勢いも感じる。

 浦和との埼玉ダービーでは、前線からほぼマンツーマンの守備になっていたが、しっかりと連動しており、特に前半はうまくハマっていた。コンパクトさをキープしながら統率されており、とくにボランチの金澤慎と青木拓矢がいい。あわてることがほとんどなく、プレイが安定しており、守備だけではなく、相手ゴールの近くまで行って点にからむこともできている。彼らを含めて全員の戦術理解度が上がっていると思うし、自信を持ってやっているという印象だ。

 また、ズラタンとノバコビッチの外国人FWふたりが強烈で、派手さはないが、プレイのひとつひとつが効いている。あそこでボールが収まるので前線でタメを作ることができている。普通だったらボールを失ってもおかしくないような難しい局面でもキープできるのでチームのラインを押し上げることができるし、コンパクトさをキープしやすい。

 点をとることに関して言うと、そのズラタンとノバコビッチが、果たして今年の夏の移籍市場で動くことなく、シーズンの最後までいるかどうか。また、青木、金澤も含めて主力がケガをせずにシーズンを過ごせるかも重要だろう。

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