川崎フロンターレに明るい光。浸透しつつある「風間スタイル」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLOSPORT

 長く暗かったトンネルの先に、ようやく明るい光が見えてきた。川崎にとっては、そんな試合だったのではないだろうか。

 J1第9節、対名古屋戦。川崎は、互いに持ち味を生かして攻撃し合う熱戦を2-1で制し、今季2勝目を挙げた。

 前節終了時点で1勝3分け4敗の15位に沈んでいたクラブにとって、まずは勝ち点3を獲得できたことが大きいが、それと同時に、この勝利が内容をともなったものであったことに大きな意味があったはずだ。

リーグ2勝目をあげた川崎。このまま上昇していけるか風間監督の采配が注目されるリーグ2勝目をあげた川崎。このまま上昇していけるか風間監督の采配が注目される というのも、川崎は前々節(第7節)の仙台戦でようやく今季初勝利を挙げながら(4-2)、前節(第8節)のFC東京戦では、いいところなく敗れていた(2-0)。自信喪失にさえつながりかねない完敗は、その印象をすぐに払拭する必要があったからだ。

 果たして川崎は、今後のシーズンの行方を左右しかねない一戦を見事に制した。風間八宏・川崎監督が「こういうハードなゲームを勝つことで自信とイメージが生まれる。前後半ともいいイメージでできたのではないか」と振り返る、会心の勝利である。

 ゴールデンウィークの特殊日程により、前節から中3日。何かを修正するに十分な時間があったわけではない。「自分たちができているつもりで、できていないところを集中してトレーニングをしてきた」と風間監督。前節のFC東京戦を終えて、指揮官が口にしていたのは次のようなことだった。

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