【Jリーグ】F・マリノス今季無敗。絶好調の秘訣は「オヤジ力」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

横浜F・マリノスを最終ラインから支える35歳の中澤佑二(左)と39歳のドゥトラ(右)横浜F・マリノスを最終ラインから支える35歳の中澤佑二(左)と39歳のドゥトラ(右) 3月2日に開幕したJリーグ。3連勝で首位を走るのは、横浜F・マリノスだ。第1節・湘南ベルマーレ戦を4-2の乱打戦で制すると、第2節・清水エスパルス戦は5-0の完勝、第3節は前田遼一、駒野友一、伊野波雅彦ら代表選手3人を擁するジュビロ磐田を2-1と退けている。2012年シーズン、開幕から7試合勝ち星がなかったことを考えれば、「ロケットスタートに成功した」と言えよう。

 リーグ4位で終了した昨季から、面子だけを見れば、戦力はむしろダウンしている。青山直晃、金井貢史、谷口博之、狩野健太、松本怜、小野裕二、そして大黒将志など、貴重な戦力だった選手たちが新天地を求めた。ギラヴァンツ北九州から端戸仁らを戻したものの、補強選手はJ2以下のカテゴリーからに限られていた。

 では、好スタートを切れた要因はどこにあるのか。

 この、ひとつの数字の羅列は興味深い。

 27、29、35、39――。

 これは、バックラインを構成する選手たちの年齢である。小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、ドゥトラの平均年齢は32.5歳。4人の熟練されたプレイは、特筆に値する。

「たしかにジュビロに押し込まれる時間帯は試合序盤にありました。でも、後ろの選手たちはまったく慌てていなかったですね。時間の経過とともに修正することができたと思います。改善すべき点はありますけど、試合の中では落ち着いて守れていますよ」

 ジュビロ戦後に小林はこう証言したが、その『修正力』は、ベテランならではだ。フットボールは変わりゆく局面の中、そのぎりぎりの判断で勝負が分かれる。わずか半歩、もしくはゼロコンマ数秒、ベテラン選手はその潮目を心得ている。

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