【Jリーグ】王者復活の予感。ダヴィが鹿島をこんなに変えた

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

今季開幕早々、評判どおりの活躍を見せているダヴィ。今季開幕早々、評判どおりの活躍を見せているダヴィ。2013年シーズン
話題の新戦力FWを診断する(3)

ダヴィ(鹿島アントラーズ)

 昨シーズン、ナビスコカップ連覇を果たしたとはいえ、リーグ戦ではクラブ史上ワーストの11位に甘んじた鹿島アントラーズ。今季はその屈辱を晴らすべく、昨季のJ2得点王であるダヴィ(←ヴァンフォーレ甲府)を獲得した。

 そして、新戦力の中でもひと際異彩を放っていたダヴィは、「鹿島は歴史と伝統があり、常にタイトルを争っているクラブ。ここでプレイできる幸せを感じているし、やりがいもある。チームに貢献し、大きな成果を上げたい。そして、優勝することしか考えていない!」と所信表明すると、すぐに爆発した。

 Jリーグ第2節のベガルタ仙台戦で、2ゴールを記録。多少粗削りな面は見られるものの、「どんな形でもいいから点を取るんだ、という気迫にあふれた、まさに点取り屋」という触れ込みに偽りはなかった。

 エネルギッシュにゴールを狙いにいくだけではなく、味方のためにスペースメークしたり、前線から守備に走ったりと、献身的な姿勢が見られ、早くも周囲の信頼を勝ち得た。そんなダヴィの期待に違わぬ活躍ぶりには、首脳陣も目を細めている。

 1月下旬、チームに合流したばかりのダヴィはふっくらしていた。明らかにウエイトオーバーで、長距離走では他の選手たちのスピードにまったくついていけなかった。アゴが上がったまま、のそりのそり走る姿に「大丈夫か?」という不安の声が上がっていたが、今ではそれも笑い話だ。

 圧巻なのは、2トップでコンビを組む大迫勇也と、MF野沢拓也との連係だ。サガン鳥栖との開幕戦(1-1)の先制ゴールも、3人の絡みから生まれた。前半32分、右CKのチャンスを得ると、野沢からのボールをニアサイドで相手と競り勝ったダヴィがファーサイドへ展開。それを、大迫がボレーで仕留めた。

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