【Jリーグ】レッズ・興梠慎三が絶大な評価を受けているワケ
レッズの前線のポイントとして、高い存在感を示している興梠慎三。2013年シーズン
話題の新戦力FWを診断する(2)
興梠慎三(浦和レッズ)
興梠慎三の浦和レッズでのデビューは、リーグ開幕戦(vsサンフレッチェ広島)。3-4-2-1の1トップとしてプレイし、その後さらにリーグ1試合(vs名古屋グランパス)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)1試合(vsムアントン・ユナイテッド/タイ)に先発出場した時点で、チームは3戦全勝。しかし、興梠の得点はなく、それどころか、記録上では3試合で1本のシュートすら打てていない状況にあった。
それでも、彼への評価は極めて高いものだった。
出場2試合目、対戦相手である名古屋のストイコビッチ監督は興梠の名を挙げて次のように語っている。
「とてもインテリジェンスの高い選手。フィジカルはそうでもないと思うが、コンピュータのようにしっかりと動くべきところ、走るべきところがわかっていた」
最大級とも言えるこの賛辞は、直後に開かれた浦和の監督会見で指揮官に伝えられ、ペトロヴィッチ監督はニヤリとしながら返している。「だからこそ、我々は彼を浦和に連れてきた」、と。
チームメイトたちの評価も好意的なものばかりだ。
例えば、最終ライン中央に位置する永田充はこう語る。
「慎三が前で我慢して張ってくれていることで、全体の距離が良くなったと思いますね。縦に深さ(スペース)ができたので、オレらも前に持ち出しやすくなった」
FWがボールを触りたがってポジションを下げてしまうと、全体のバランスが崩れてしまいがちだが、興梠はいたずらにボールをもらいに下がりはしない。"顔を出す"タイミングを心得ている。全体の良いバランスを保ちながら、自分のもとへと来たパスを収める。
永田は、「多少こちらのパスがズレてもしっかり止めてくれる。身長(175cm)の割にヘディングも強いし、結構無理が利くので出しやすいです」と評する。
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