【Jリーグ】「クレオ効果」に、柏の覇権奪回が見えた!?

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

柏の攻撃に新たな活力を与えたクレオ。柏の攻撃に新たな活力を与えたクレオ。2013年シーズン
話題の新戦力FWを診断する(1)

クレオ(柏レイソル)

 柏レイソルにとっては、痛い負傷である。

 Jリーグ第3節のベガルタ仙台戦。試合開始直後にFWクレオが足を痛めて、自ら交代を要求した。

 柏は予期せぬアクシデントに、すぐに対応することができず、ひとり少ないまま戦っている間に失点。結果的にこれが響いて、1-2で敗れた。

 柏にとっては確かに痛い失点であり、敗戦である。だが、それ以上に痛いのは、クレオの負傷ではないだろうか。それほど前線の核として、クレオの存在は大きかった。

 柏はここ数年、毎年のように新たな外国人FWを獲得するのだが、望むような活躍をしてはくれなかった。昨季のリカルド・ロボ、ネット・バイアーノをはじめ、何人ものFWが期待外れに終わってきた。

 だが今季、ようやく"待ち人"がやってきたのではないか。クレオはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を含めたここまでの5試合で、そう思わせるだけのものを見せていた。

 まずは、巧みなポストワーク。最前線でDFを背負いながらも、ときにはしっかりとボールを収めてタメを作り、ときにはワンタッチで周囲の選手を生かす。そうした役割を確実にこなしていた。

 そんなクレオの存在がよりクローズアップされたのは、むしろJリーグ以上にACLでの戦いにおいてである。先日(3月13日)行なわれたセントラルコースト(オーストラリア)との対戦などは、その典型だった。

 クレオは、フィジカル的に日本人選手を上回るDFから体当たりまがいのチャージを受けながらも、ひるむことなく前線でボールを受け続けた。下手をすれば力任せのぶつかり合いになり、相手ペースになりかねかった試合でも、柏がリズムよく攻撃を進められたのはクレオの働きによるところが大きい。

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