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【高校選手権】大会の行方を占う、4つの好カードを見逃すな! (2ページ目)

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 1回戦から注目の大物が登場することで話題を集めているのが、旭川実vs大津。

 旭川実は、プレミアリーグイーストで苦戦を強いられたものの、その激闘の中で物おじしない精神力と粘り強さを手にした。守備力にも磨きがかかり、「全員攻撃・全員守備」のスローガンどおり、ピッチを走り回るサッカーで着実にレベルアップを果たしている。

 一方の大津は、超高校級という言葉がピッタリのDF植田直通(3年)がチームを引っ張る。U-19日本代表のセンターバックで、鹿島アントラーズ入りが内定している植田。テコンドーで世界大会に出場した経験があるなど、その運動神経、身体能力は高校レベルを超越している。攻撃の軸は、植田と同じ鹿島入りが内定しているMF豊川雄太(3年)。まだ荒削りだが、ゴールを嗅ぎ分ける能力がピカイチだ。個々の能力だけでなく、チームの総合力も高く、プリンスリーグ九州1部を制覇。この一戦を突破すれば、悲願の優勝も夢ではない。

 年を越して1月2日(水)、2回戦から登場して顔を合わせるのが、桐光学園vs四日市中央工。ともに将来性あるタレントがそろい、勝敗だけでなく、見どころいっぱいだ。

 激戦区・神奈川を制した桐光学園は、インターハイでベスト8に入るなど、力があるのは実証済み。守備は、U-18代表の頭脳派センターバック諸石健太(3年)を中心に強固なDFラインを構築。攻撃は、中村俊輔(横浜F・マリノス)、藤本淳吾(名古屋)の系譜を継ぐ、MF松井修平(3年)が正確なパスでタクトを振る。また、FW野路貴之(3年)は、強豪ひしめくプリンスリーグ関東1部で得点王に輝くなど、ゴールの嗅覚に優れたストライカー。攻守にバランスの取れたチームで、優勝候補の一角に挙げられる。

 前回大会準優勝の四日市中央工の強みは、2トップの破壊力と経験値だ。7ゴールを記録して前回大会得点王になったFW浅野拓磨(3年)と、6ゴールを挙げた田村翔太(3年)が健在。浅野はサンフレッチェ広島へ、田村は湘南ベルマーレへの入団が内定するなど、ふたりとも一層パワーアップしている。たとえ劣勢の試合であっても、2トップのコンビネーションだけで得点する能力があり、トーナメントを勝ち抜くうえで強力な武器となるだろう。2トップ以外にも、MF田村大樹(3年)、DF川本将太郎(3年)、GK中村研吾(2年)らが前回大会を経験。トーナメントの戦い方、大会の雰囲気を知っている選手が数多くいるのは心強い限りだ。

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