【Jリーグ】順当?波乱? 天皇杯ベスト4で強豪が激突

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

ベスト8で唯一のJ2クラブの千葉と対戦した鹿島は手堅く勝ち上がり準決勝進出ベスト8で唯一のJ2クラブの千葉と対戦した鹿島は手堅く勝ち上がり準決勝進出 順当なのか、波乱なのかは、何を基準にするかで180度見方が変わってしまう。

 12月23日、天皇杯全日本サッカー選手権大会の準々決勝が行なわれ、ベスト4が出揃った。その顔ぶれは柏、G大阪、横浜F・マリノス、鹿島。今季J1のリーグ戦最終順位で言えば、順に6、17、4、11位である。

 二桁順位のクラブがふたつも残っていることを考えれば、今年の天皇杯は波乱の大会ということになるのかもしれない。J1を制した広島が早々に2回戦で、しかも地域リーグ所属のFC今治に敗れたのをはじめ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を得た上位3クラブがすべてベスト8を前に敗れたことも、その裏付けと言えるだろう。

 とはいえ、そこには不思議なほど波乱の印象がない。むしろ順当な顔ぶれ、と言っていいほどだ。

 実際、昨季2011年のJ1のリーグ戦最終順位で見てみると、同じく柏、G大阪、横浜FM、鹿島の順に1、3、5、6位。優勝した柏を筆頭に、昨年の上位勢がしっかりと勝ち上がってきているのである。おそらく、今季開幕前にこのベスト4の顔ぶれを聞いて、波乱と表現する人は誰ひとりとしていなかっただろう。

 今季J1で17位に終わり、屈辱のJ2降格を味わったG大阪に代表されるように、リーグ戦では力を出し切れなかった強豪クラブが、ようやく本来の勝負強さを発揮してきた。今年の天皇杯は、そんな大会となっているのだ。

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