【Jリーグ】20年間ブレはなし。ブラジルのスタイルと「ジーコの哲学」を貫く鹿島

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フォーメーション進化論 vol.12

昨シーズン、鹿島はリーグ6位と振るわなかったが、ナビスコカップで優勝しタイトルを手にした昨シーズン、鹿島はリーグ6位と振るわなかったが、ナビスコカップで優勝しタイトルを手にした
 バルセロナのような「内容やスタイルを」と理想を追求していくこともサッカーでは必要なこと。しかし、内容以上に、結果が重視されるのがプロの世界だ。

 その結果を求め、多くのタイトルを手にしてきているのが、鹿島というクラブ。

 鹿島は監督が変わっても、基本的なスタイルは変わらない。それは、いわゆるブラジルのサッカーだ。

 歴代の監督はブラジル人ばかり。外国人選手もブラジル人がほとんど。基本となるフォーメーションはブラジル代表の4-4-2に近い。昨シーズン、オリヴェイラ監督が採用していた基本フォーメーションは同じくブラジル人である柏のネルシーニョ監督が採用している形とほぼ同じだった。

 鹿島は、選手が変わっても、監督が変わっても、やり方をほとんど変えずにきた唯一のJリーグクラブと言っていいだろう。20年という時間をかけて着実に伝統が築かれているという意味でも、成功しているクラブだ。

 何よりも、クラブの象徴として、そしてプロ選手の模範としての「ジーコ」という存在が大きい。その基本にあるのは結果を残すこと、そして勝つことへの執着だ。それが今も脈々と受け継がれ、クラブの哲学として生きている。

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プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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