【名波浩の視点】川崎Fが変わった。開幕戦で見えた3つの上積み
先発した5人の新加入選手がいい働きを見せて、見事に開幕戦勝利を飾った川崎フロンターレ。 3月10日に開幕したJリーグ。川崎フロンターレvsアルビレックス新潟は、1-0で川崎Fが勝利した。
試合は、終盤こそ川崎Fが守りに入ってラインを下げたために、新潟の一方的な展開になったものの、全体的には互いに布陣をコンパクトに保って、とても内容のあるいいゲームだった。昨季は川崎Fが11位、新潟が14位と、ともに不本意なシーズンに終わったが、それぞれが今季の巻き返しを十分に期待させるサッカーを見せてくれた。
昨季の新潟はとにかく、いいときと悪いときの差が大きかった。そして、悪いときはチーム全体が間延びして、攻撃に人数をかけられない状況に陥ってしまうのだが、そういう試合が多過ぎて低迷した。しかしこの試合では、90分を通して全体をコンパクトにして戦っていた。結果、敗れたとはいえ、黒崎久志監督も確かな手応えを感じていたし、内容的には川崎を上回っていたように思う。立ち上がりの決定機を生かせていれば、まったく違う展開になっていたのではないだろうか。
一方、勝利した川崎Fも、昨季からの上積みが随所にうかがえた。まずひとつは、新たに加わった選手たちが機能したことだ。なかでも際立っていたのは、昨年課題に挙げられた守備陣。GKの西部洋平(←湘南)に、センターバックのジェシ(←コリチーバFC/ブラジル)と森下俊(←京都)の、"最終ライン・トライアングル"が充実した動きで勝利に貢献。最後の踏ん張りはもちろんのこと、細かい気配りができていたディフェンスは圧巻だった。
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