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サッカー日本代表はサイドバックとセンターフォワード不足が際立つ 弱点が透けて見える28人 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

【右ウイングは選びすぎ】

 特に右は、久保、堂安、伊東、坂元、松木と候補が5人も揃っている。選びすぎだ。坂元、そして前回に続き松木をテストしたいのなら、久保、堂安、伊東のうちふたりぐらいを休ませ、その分をSBに回せと言いたくなるのだが、SBにこれといった有力候補は見当たらないのも事実。やはりポジションがなければ選手は育たないのである。

 坂元はとうの昔に選ばれてしかるべき頭脳派のウインガーだ。選出が約5年ぶりになった理由はわかりやすい。右ウイングに同じ左利きのウインガー、久保、堂安がいたからだ。さらに言えば、WBタイプではない。近いのは久保だ。だが、現在の久保にプレミアリーグでスタメンを張る力があるだろうか。堂安を含め、3人の左利きウインガーの実力はそう変わらない。むしろ勢いは坂元にある。森保監督の見る目が問われる一件とは言えまいか。

 森保監督は選考基準として常々口にするのが「5大リーグ」だった。今季プレミアリーグに昇格したコベントリー所属の坂元が昨季までプレーしたチャンピオンシップ(イングランド2部)は、それに含まれていない。2部は欧州リーグランキングの対象外。だが、実際のレベルとなると、チャンピオンシップの上位チームならば、5大リーグでもドイツ、イタリア、フランス各リーグの下位チームより上だ。イングランドのレベルはそれぐらい高い。

 今回初選出となった福田所属のカールスルーエはドイツ2部だ。5大リーグどころか、実力的には10大リーグにも入らないだろう。今回、選考から漏れた塩貝もドイツ2部(ヴォルフスブルク)だ。ウイングに比べるとセンターフォワード(CF)の選考のレベルが低いことがわかる。

 日本のCF候補は今回ケガで招集外となった上田を筆頭に、小川、後藤と続くが、世界17位のチームにしては弱く見える。

 SBとCF。SB不足が森保体制の負の遺産と言うべきものであるのに対し、CFの根はもっと深く、釜本邦茂さんの時代にまで遡る。彼を超えるストライカーは日本に現れていない。今回の顔ぶれは大迫勇也との比較でも勝てないだろう。

「SBが活躍するサッカーこそいいサッカー」「SBが活躍したほうが試合を優勢に進めることができる」とは、筆者が欧州取材を通して学んだ知識になるが、それを覆す能力があるのがCFだ。よくないサッカーでも、劣勢に置かれても、CFが優秀なら勝てる。つまり、SBもCFもどちらもないチームでは、いいサッカーはできないし、勝つこともできない。

 日本の弱点が透けて見えるような28名の招集メンバーと言える。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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