風間八宏が語る46年前のサッカー日本代表「夢の中盤」 香港の観客も拍手した若きテクニシャンたち (5ページ目)
【認め合った選手たち】
風間は、「今から振り返ると楽しい代表だったというふうに思いますね」と言う。
風間はほかの監督からは「そんなドリブルなんか試合じゃ通用しないだろう」といったネガティブなことを言われた経験もあるという。
「そうしたら、『できますよ』って試合でやって見せるんですけどね(笑)」
しかし、川淵監督はそんなことはいっさい言わなかったという。だから「居心地が良かった」というのだ。
「お互いに『この人うまいな』と認め合った選手たちでチームを構築するのはすごく心地よかったなと思いますね。川淵さんの時は、(テクニック系の選手たちは)みんなストレスがなかったんじゃないかな」
風間には、こんな記憶もあるという。
「3人の中盤は現地でも明らかに人気があったんだけど、特に戸塚に人気がありましたね。ある試合の後、香港の人たちがレフェリーの判定に不服でバスを取り囲んだんですよ。ホテルの前で。で、上から見ていて『止めに行こう』って何人かで行ったんだけど、『怖いな』って言ってたら、哲也が『ストーップ!』って止めに入ったんです。そうしたら、『おっ、お前は日本の選手じゃないか』って騒ぎが静かになったんですよ。それくらい人気がありましたよ」
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。
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