【プロ野球】なぜ巨人は阪神を追い詰めながら勝てなかったのか 広岡達朗が見抜いた「勝負師としての決定的な差」
2026年のセ・リーグは、阪神が球団史上初のリーグ連覇を達成して幕を閉じた。
開幕前、多くの評論家が阪神の連覇を予想していた。交流戦では失速したものの、その後は順調に勝ち星を積み重ね、首位を快走。ところが、9月上旬の7連敗によって2位・巨人とのゲーム差がなくなるまで詰め寄られ、最後まで予断を許さない展開となった。
それでも、最後は総合力で他の5球団を上回った。阪神は79勝62敗2分で2年連続のリーグ優勝を達成。2位・巨人に2.5ゲーム差をつけてペナントレースを制した。
ヤクルト、西武で監督を務め、リーグ優勝4回、日本一3回に輝いた球界の大御所・広岡達朗氏(94歳)は、今季のセ・リーグをどう見たのか。阪神連覇の要因から巨人の敗因、そしてクライマックスシリーズ(CS)の展望まで、独自の視点で語った。
一時は阪神にゲーム差なしまで迫ったものの、最後まで追い抜くことができなかった巨人 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る
【巨人に足りなかった勝負への執念】
「そもそも力の差は歴然としていた。阪神がもたもたしているうちに巨人が追いついただけで、巨人に地力があったとは到底思えない。DeNAは先発投手陣が早々に崩壊し、広島はいかんせん得点力不足。中日は投手力こそ悪くないが、勝ちきれない。言うなれば、阪神以外は監督の手腕がどうにもこうにも劣っている。敗軍の将を責め立てるのに遠慮はいらん。こうして見れば、阪神が優勝してくれないと格好がつかんし、野球じゃなくなる」
あいかわらずの歯に衣着せぬ物言いで、他球団を一刀両断した。
「阪神は途中、近本(光司)の離脱があったものの、1番から5番までの打順をほぼ固定できた。何度も口を酸っぱくして言っているが、打線をコロコロ変える巨人とは雲泥の差だ。いくら転換期だといっても、シーズンのどこかで打線を固定しなければ、勝てる試合も勝てなくなる。長いシーズン、監督の采配で勝てる試合は片手で数えるほどもない。ただ、監督の采配で負ける試合は数えきれないほどある。
10月1日、甲子園での最後の首位決戦は、まさに巨人の執念不足だった。テレビで見ていても、勝って優勝するんだという気迫が感じられない。かつて長嶋茂雄は、第2次政権時の1996年に『メークドラマ』を掲げ、最大11.5ゲーム差をひっくり返して優勝した。勝負どころを見極め、指揮官自ら選手を鼓舞していた。そういうことも勝負師として重要な要素だ。所詮、橋上ではそんなことはできないだろうよ」
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著者プロフィール
松永多佳倫 (まつなが・たかりん)
1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。







































