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【プロ野球】なぜ巨人は阪神を追い詰めながら勝てなかったのか 広岡達朗が見抜いた「勝負師としての決定的な差」 (3ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Takarin Matsunaga

 また広岡氏は、巨人との優勝争いを制した阪神の姿に、時代の変化を感じたという。

「昔は巨人と阪神がデッドヒートすれば、最後は巨人が勝つのが当たり前だった。阪神はジンクスに弱いイメージがあったけど、こうして巨人を振りきって優勝するというのは、時代の転換期なのかもしれんな」

【CSで巨人に勝ち目はあるのか】

 こうしてセ・リーグは、1位・阪神、2位・巨人、3位・DeNAの順位が確定。10月10日からは、巨人とDeNAによるCSファーストステージが始まる。

 広岡氏は、この短期決戦をどう見るのか。

「まずファーストステージの巨人とDeNAの対戦だが、巨人はシーズン終盤にかけて、打撃陣の勝負弱さがますます露呈した。DeNAは春先とはまったく違うチームになった。どこからでも打線がつながるDeNAのほうが、得点能力は上だろう。巨人の投手陣は先制点を与えない投球をしないと、試合にならなくなるぞ」

 巨人にとって明るい材料は、戸郷翔征と山?伊織が戦力として戻ってきたことだろう。打線に不安を抱えるだけに、先発投手陣の出来が勝敗を大きく左右する。

 一方のDeNAは、打線がつながり始めれば一気に大量得点を奪う力を秘めている。短期決戦では、どちらが先に主導権を握るかが重要になる。

「ファイナルステージで巨人と阪神の対決を見たいと、ファンは切望しているかもしれんが、期待はできんな。仮に巨人がファーストステージを勝ち抜いたとしても、阪神には勝てん。監督代行の橋上が今季限りということになれば、選手たちのモチベーションを保つよりどころがどこにあるのか。

 勝負というのは、やっぱり誰かのために、何かのためにという強い意志があるのとないのとでは、まったく違ってくる」

 2026年のセ・リーグは、阪神が球団史上初の連覇を達成した。しかし、日本シリーズに進出するためには、CSファイナルステージで巨人かDeNAを退けなければならない。短期決戦に絶対はない。それでも、先発陣の安定感、打線の破壊力、そしてシーズンを通して培ってきた総合力を考えれば、阪神が優位に立つことは間違いないだろう。

著者プロフィール

  • 松永多佳倫

    松永多佳倫 (まつなが・たかりん)

    1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。

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