サッカー日本代表よりエクアドルのプレスのほうが効果的だった理由 日本は「頭脳」で負けていた (3ページ目)
前半18分、エクアドルの攻勢がいったん収まった段階で、右のタッチライン際で構える堂安にボールが渡るシーンがあった。堂安は、ストレスを溜めていたのだろう。そこでドリブルを開始した。だが、前は塞がれている。進んだ方向はピッチの内側だった。カットインと呼ぶには低すぎる位置で、ピッチのまさに中央付近だった。危ないと思ったのは筆者だけではなかったと思う。堂安は真ん中に誘導されると、あっさりボールを失った。
相手の罠に簡単に引っかかり、逆襲を誘った。試合の流れはこれを機に、再びエクアドル側に傾いていったのだが、堂安はキャプテンマークを巻くこともある森保監督から信頼を寄せられている日本の中心選手だ。森保サッカーのレベルがうかがい知れるようなワンシーンだった。
1トップで起用された谷村海那を除けば、スタメンはすべて北中米ワールドカップ本大会でプレーした選手ばかりである。その谷村がミスを繰り返した結果、エクアドルにペースを奪われたという話ではない。作戦負け。8年以上、試合数にするとこれが110試合目となる森保監督、そしてやたらとピッチサイドまで出たがる日本のコーチ陣にとって、恥じるべき試合となる。
メンバーを大量7枚ずつ切りあった後半は、終盤にかけて日本のサッカーは徐々に活気づくことになった。そしてPK戦にも勝った。前半の悪い印象は忘れがちだが、脳裏にしっかり焼きつけておかないと、学習効果を発揮することはできない。「頭」で負けるほど、格好悪いものはない。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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