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【ワールドカップ】「魔法のような解決策はない」 ジーコが占うサッカー日本代表とセレソンのこれから (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【「積み重ねること」でさらに高い場所へ】

 ジーコが今回、日本に向けて最も伝えたかったメッセージ。それは「焦らないこと」だった。

「ブラジルでサッカーが本格的にプロ化したのは1933年だったが、初めてワールドカップを制したのは1958年だった。世界一になるまでには25年という長い時間が必要だった。しかも、その間にはペレやガリンシャという歴史に残る天才が現れた。しかし、そうした選手はどの国にも簡単に生まれるわけではない。だから日本も、近道を探す必要はない。

 Jリーグが始まってまだ30年あまりで、ここまで世界に認められる国になったこと自体が驚くべき成果だと私は考えている。世界には、優れたリーグを持ち、多くのスター選手を抱えながら、なかなかワールドカップで優勝できていない国がある。イングランドもそのひとつだ。1966年に自国開催で優勝して以来、世界一にはなれていない。世界一のプレミアリーグがあり、デビッド・ベッカム、ウエイン・ルーニー、アラン・シアラー、そしていまならジュード・ベリンガムやハリー・ケインのようなすばらしい選手を輩出しても、それだけで優勝できるわけではない。

 必要なのは、議論を繰り返すことではない。ただ仕事を積み重ねることだ。これは日本人にとっては難しいことではないだろう。育成年代をさらに充実させ、クラブを支え、サッカーが発展し続ける環境を守る。その積み重ねが、やがて世界を驚かせるスター選手を生み、日本をさらに高い場所へ導いてくれる。その日は、皆さんが思っているより近いかもしれない。私は、その未来を楽しみにしている」

 インタビューの最後に、ジーコは日本の人にどうしても伝えたいことがあると言った。それは提言でも批評でもない。日本のサッカーと共に歩んできた、自らの人生への率直な思いだった。

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