【ワールドカップ】ジーコが語る日本代表2026 「チームワークだけで世界一になった国はひとつもない」 (3ページ目)
【必要なのは「世界を変える才能」】
では、日本がその「あと一歩」を超えるためには何が必要なのか。ジーコの答えは明確だった。
「日本が世界の頂点へ進むためにはどうしても必要なものがある。それは、試合を決められる特別な選手だ。強いリーダーシップを持ち、ひとりで試合の流れを変えられる選手。苦しい時間帯でも、『彼なら何とかしてくれる』と、仲間もサポーターも信じられる存在だ。
これまでワールドカップを制した国には、必ずそういう選手がいた。今のアルゼンチンにはリオネル・メッシ、フランスにはキリアン・エムバペ、かつてのブラジルにはロナウドやロナウジーニョがいた。チームワークだけで世界一になった国はひとつもない。
もちろん、日本にも優秀な選手は数多くいる。技術も高く、戦術理解もすばらしい。しかし、世界の頂点に立つには、そのうえに『世界を変える才能』が必要なのだ。日本にはそういう選手を育てる環境も、人材も十分にあると信じている。だから悲観する必要はない。今、日本が積み重ねているものは決して間違っていないのだから」
特別な才能の持ち主がまだ現れていないからといって、日本の歩みそのものを否定する必要はないということだろう。一方、日本が決勝トーナメントで勝てない理由を、「勝者のメンタリティの欠如」に求める見方にも、ジーコは異を唱える。
「私はその考えには賛成できない。むしろ、この数年間の日本代表を見れば、日本は確実に勝者の意識を身につけ始めている。ワールドカップ予選では安定して結果を残し、本番では世界の強豪国とも堂々と渡り合えるようになった。今では海外の監督や選手、メディアも、日本代表を軽く見ることはない。『日本相手なら楽勝』などと思う者はいない。いや、逆に『できれば当たりたくないチーム』かもしれない。日本はすでに世界中から尊敬されるチームになっている。
私は、日本に勝者のメンタリティがないとは思わない。まだチームが完成の域に達していないだけだ。サッカーの成長には時間がかかる。国の文化も、サッカーの文化も、一夜にして変わるものではない。今トップにいる国だって、一気にその地位にたどり着いたわけではない。だから焦る必要はない。日本は着実に経験を積み重ね、そのたびに強くなっている。その歩みを止める必要はまったくない」
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