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【ワールドカップ】ジーコが語る日本代表2026 「チームワークだけで世界一になった国はひとつもない」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【ブラジル相手に最もやってはいけないこと】

 なかでもジーコが問題視したのは、ブラジル戦の後半に見せた日本の変化だった。

「ブラジル戦、日本は本当にすばらしい試合をしていた。組織だった守備、テンポのいい攻撃、そして先制点。内容を見ても、日本は自信を持ってプレーできていた。ところが後半になると、それまでとはまったく違うチームになってしまった。必要以上に自陣へ引き、ブラジルにボールを持たせ、自由を与えてしまったんだ。ブラジルのような相手に、それは最もやってはいけないことだ。

 ブラジルは前を向いてプレーできれば、必ずリズムをつかむ。そうすれば日本は苦しくなる。日本がやるべきだったのは、最後までブラジルがプレーしにくい状況を作り続けることだった。

 もちろん、森保一監督やスタッフには考えがあったはずだ。人数をかけて守り、カウンターから勝負を決めようと考えたのだろう。しかし現実には、ブラジルは日本にそのカウンターすら許さなかった。実は、この傾向はブラジル戦だけではない。スウェーデン戦でも終盤になると、日本は同じように守備へ重心を移し、あと少しで勝利を逃しかけていた。現代サッカーでは、守り続けるだけで勝ちきるのは簡単ではない」

 日本はなぜ、それまで貫いてきた攻撃的な姿勢を手放してしまったのか。ジーコが惜しんだのは、単に守備的になったことではなかった。

「何より私が一番残念に感じたのは、日本が試合の途中で大きく自分たちのスタイルを変えてしまったことだ。前半は高い位置からプレッシャーをかけ、速くボールを動かし、自分たちから試合を支配していたチームが、後半になると守ることだけを考えるチームになってしまった。私は、その変化がとても残念だった。

 日本は大会を通して、魅力的なサッカーを見せていた。選手同士がよく連係し、全員が最後まで走り、体を張り、ゴールを目指して戦っていた。相手にとって非常に危険なチームだったし、戦術の引き出しも多かった。特に私が一番評価した点は、日本が常に勝つためのサッカーをしようとしていたことだ。時間を使うためではなく、ゴールを奪うためにプレーしていた。

 だからこそブラジル戦は、それまで積み上げてきた日本らしさが消えてしまったように感じた。私は、日本は試合開始から終了まで、自分たちのサッカーを貫くべきだと思っている。もちろん状況によって戦い方を変えることは必要だ。しかし、これは哲学の問題だ。ひとつの試合のなかで、自分たちの哲学まで変えてしまってはいけない」

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