【ワールドカップ】スペイン優勝ではっきりした日本が頂点に立つまでのかなり長い道のり (2ページ目)
【W杯過去5大会3回優勝の「バルセロナ」】
アイデンティティが明確だったスペイン、アルゼンチンとは対照的に、それを失った強豪は危機に瀕している。
ドイツは「スペイン化」して技術的に進歩した半面、かつて有していた勝負強さを失った。前回、前々回はグループステージ敗退。今回はラウンド32でパラグアイにPK負け。
ブラジルにかつての唯一無二のプレースタイルは見る影もない。ラウンド16ではノルウェーに保持率でも負けていた。意外にもブラジルはノルウェーに勝ったことがないのだが、ボール保持でも負けるなどかつては考えられなかった事態である。初の外国籍監督カルロ・アンチェロッティを招聘し、堅守とヴィニシウス・ジュニオールによるカウンターに特化した戦い方を選択していたのは、すでにブラジルが基盤を失っていたからだ。
スペインの優勝により、W杯史上「バルセロナ」が3回目の優勝を果たしたと言えるかもしれない。2014年優勝のドイツはバイエルンの影響が強く、当時バイエルンを率いていたジョゼップ・グアルディオラ監督によってバルセロナ化していた。そう考えると、「バルセロナ」は過去5大会で3回優勝していることになる。
バルセロナのプレースタイルが完全に固まったのはグアルディオラ監督初年度の2008年だが、始まりはその20年前のヨハン・クライフ監督就任である。アヤックスのプレースタイルを持ち込んだ。当時のスペインでは異質なサッカーだったが、20年を経てバルセロナのスタイルとして定着しただけでなく、スペインのサッカーとなった。
言わばスペインは「オランダ化」に成功したわけだ。その背景には強豪国のような強い基盤を持っていなかったことと、何より選手を生み出す源としてのバルセロナという単独クラブの存在がある。単に優れた個を輩出するだけでなく、どうプレーすべきかを刷り込まれている基盤を持った個だ。そして代表の中枢にいる彼らは日常的に一緒にプレーしている。おそらくこの条件がなければ、他国のスタイルを吸収して完全に自分のものにすることはできなかったのではないか。
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