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【ワールドカップ】サッカー日本代表はあの「負け方」でよかったのか ブラジル戦までの4年間を検証 (4ページ目)

  • text by Sportiva

【「目標は優勝」としたことの是非】

浅田 そういう選択をしたにもかかわらず、「目標は優勝」などと言うから話がややこしくなる。

杉山 あのサッカーで優勝なんてできないということは、これまでサッカーを見てきた人はわかるでしょう。ワールドカップのダークホースにさえなり得ない。ダークホースはもっといいサッカーをします。ノルウェーやモロッコはもうダークホースとは言えないかもしれないけど、その下ぐらいに位置するチーム、一発何かやるんじゃないかというところに日本は入りたかったけど、あのサッカーではあり得ない。

浅田 「目標は優勝」と公言しておいてラウンド32で負けて、それで続投要請という話が出てくるのは意味がわかりません。野球のWBCで「目標は優勝」と言いながら東京ラウンドで敗退したら、「惜しかった」という話にならないでしょう。「あそこでブラジルに当たったのは運が悪かった」というのは、目標がベスト8の時の言い訳です。「優勝する」というのはブラジルに勝つということ。そこで負けたことに対する反応の鈍さにはちょっと驚きます。結局、日本サッカー協会も本気で言っていたわけじゃなかったのね、という気がします。

杉山 森保監督が「優勝」と言っても、サッカー協会の山本昌邦技術委員長兼ナショナルチームダイレクターや宮本恒靖会長が「協会としてはベスト8が目標」「個人的にはベスト8でいいと思う」と言ってもよかったと思いますよ。そういう発言もないから、大手メディアは「おいしい言葉をいただきました」とばかり、「優勝」「優勝」と言い出した。

「ベスト8が無理だから優勝と言うようになった」という話をしましたが、一方で、森保監督はもしかしたら本当に優勝できると思っていたのかもしれないという気もします。前回大会でドイツ、スペインに勝って、親善試合でブラジル、イングランドに勝って、その流れで「いける」と思ったのかもしれない。だとしたら、あまりにも世界のサッカーを知らないのではないかと話になってしまいます。

 守田英正をワードカップの本大会登録メンバーから外した時に、会見でその理由について、ポルトガルは「5大リーグでないから」と説明しましたが、この人はチャンピオンズリーグを観てないなのかなと思いました。日本でテレビを見ていてもわからないこと、現地に足を運ばないと肌で感じられないことはあります。その意味で、世界がどれだけ強いか、わからなかったのではないかと疑ってしまうほどです。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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