【ワールドカップ】サッカー日本代表の戦いをどう評価すべきか 異変はスウェーデン戦で起きていた (4ページ目)
【「使える選手」は何人いたのか】
浅田 コンディションについて言うと、今回、大会前に他国と試合をせず、U-19代表を連れて行って練習試合をするという方法を取りました。大会が長丁場になることを見越して、あまりピークを早くしないためにそうしたのかと思っていたのですが、だとしたらその効果はなかったということかもしれません。また、試合会場は、ダラスは屋根がついていて、モンテレーの試合も夜だったのでそれほど暑くなかった。また、合宿地のナッシュビルもダラスに比べて暑くなかったそうです。そう考えると、3試合目で足が止まるというのは何かほかに原因があったのかもしれません。
杉山 もしかしたら選手の起用法も関係があった可能性はあります。チュニジア戦の後半こそ、いろいろな選手が出てきましたが、結局、本当に使える選手は何人だったのか。センターフォワードしかできない選手が5人もいて、ディフェンスが8人もいる。ディフェンダーはコンディションの問題があったのか、試合によって入れ代わり立ち代わり出場していたけど、フォワードはオランダ戦で最後に小川航基が決めた(記録は鎌田大地の得点)ものの、結局は上田綺世を使い倒しただけ。どういう理屈で5人を選んだのか、わかりませんでした。そのぶん、数が少なくなったサイドの選手は疲れたらもう終わり。中盤の選手もそうです。使える選手の絶対数が足りているようで足りていなかった。
三笘薫や遠藤航が出場できないと決まった時、誰を補強するのかという問題もあったと思います。そこで正解を出していたら、結果がくつがえったかどうかはともかく、選手交代するとパワーダウンするこのチームの傾向は改善できていた可能性があります。試合の後半、「お、こいつが入ってきたのか」というのがあると、見る側に期待感が生まれるし、チームに勢いが出ます。でも、あのメンバーではそれができなかった。その意味では采配、起用法が悪かったというより、むしろ采配的にはそうするしか仕方がなかった。そこに至るプロセスが問題で、選手の選考のバランスが悪かったという気がします。
浅田 結局、そのツケが噴出したのがブラジル戦でした。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
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