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【ワールドカップ】日本代表が確立した「全員サッカー」のカタチ だが強豪になるにはいくつかの弱点がある (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【全員守備の確立】

 2022年、2026年W杯で日本代表を率いた森保一監督のモットーは「いい守備からのいい攻撃」。守備→攻撃という順番が重要で、決して逆ではない。

 W杯における日本の立場は中堅である。今大会はポット2なので、中の上あるいは上の下という位置づけだが、優勝候補ではない。ノックアウトステージでいきなり強豪と当たるケースもあるので、勝ち上がるためにはまず守備が重要という方針は妥当だった。このあたりの大局観にはブレがない。

 選手選考の基準は1対1の強さ。とくに守備における1対1で一定レベルにない選手は選んでいない。そのため日本の守備意識は高く、戦術的な整理も進んだことで機能的な全員守備が実現した。

 サッカーは得点が入りにくいスポーツであり、守備が強固なら格上が相手でも接戦に持ち込むことは可能だ。今大会の日本は安定したブロック守備、そこから前進していくハイプレスの機動力が抜群で、トップクラスと言っていい。

 奪ったボールを無駄なくフィニッシュにつなげていくカウンターも鋭かった。攻守に連係できる距離感を保ち、そのなかで即興的に意思の疎通ができることも日本の長所だ。

 3-4-2-1システムの確立も飛躍の要因だろう。

 ウイングバックの起用の仕方で攻撃的にも守備的にもなりうる特徴があるシステムだが、攻撃的な選手を両翼に配したのは世界的にもあまり例がない。堂安律、伊東純也、中村敬斗、三笘薫は優れた攻撃力だけでなく守備力も確か。彼らの所属チームはリーグトップクラスではなく、普段から守備面での要求もされている。守備で信用できるアタッカーが揃っていたのは「いい守備からのいい攻撃」の原動力になっていた。

 さらに堂安と伊東、中村と三笘にはシャドーとウイングバックを入れ替えられる能力すらあった。三笘の負傷離脱で左の互換性は発揮できなかったが、画期的な試みと言える。

 機能的かつ献身的な全員守備。全員攻撃まではいかないが、ウイングバックの攻撃力による厚みはある。チームの一体感も含め、強豪にも正面から挑んでいける日本のスタイルが確立されていた。

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