サッカー日本代表グループ突破の条件は? 福田正博が48カ国方式の新ワールドカップを読む (3ページ目)
【48カ国方式の変化は】
これまでの32カ国方式のW杯では、グループリーグ突破の目安は勝ち点4だった。1勝1分け1敗の結果を残せれば、ほぼ決勝トーナメントに進出できた。もちろん、例外はある。前回大会のチュニジアは、初戦でデンマーク代表に0-0で引き分け、2戦目でオーストラリアに0-1で敗れ、3戦目でフランスから1-0の大金星をあげながらもグループステージ敗退の憂き目に遭っている。得失点差までもつれ込むケースもあったが、基本的には決勝トーナメント進出の条件は勝ち点4以上だった。
しかし、今回は各グループ3位のうち成績上位の8カ国も決勝トーナメントに進めるため、勝ち点3が目安になる。さらに言えば、得失点差が大きな比重を占める。
たとえばグループAの3位が1勝2敗の勝ち点3だとしても、よほどの大量得点で勝たない限り、得失点差は2敗の失点が響いてマイナスになるはずだ。対して、グループBの3位は3分けの勝ち点3だった場合、彼らの得失点差はゼロ。Aの3位よりも、Bの3位のほうが成績では上位になり、各グループ3位の決勝トーナメント進出8枠に潜り込める可能性が高まる。
このためグループステージから守備を意識した試合が増えるのではないかと予想している。もしかすると、EURO2016でポルトガル代表が、グループリーグ3戦3分けで勝ち上がった決勝トーナメントを制したようなケースも、起こる可能性はある。
「3分け」は、日本にもありえることだ。初戦のオランダは強豪国であるのは間違いないが、強豪国というのは決勝トーナメントを意識しているため、グループステージの初戦にコンディションのピークを合わせてこない。そのため日本が粘り強く守れば、勝ち点1を手にできる可能性がある。チュニジアはアフリカ予選で無失点だった堅守のチームだけに、引き分けで終わることも想定できる。2分けで迎える3戦目は、1勝して勝ち点3を奪うことも大事だが、試合展開によっては引き分け狙いにして、3戦合計の勝ち点を3にすることに切り替える考えもありえるだろう。
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