サッカー日本代表グループ突破の条件は? 福田正博が48カ国方式の新ワールドカップを読む (2ページ目)
【気候は追い風にならないか】
オランダと欧州プレーオフ組に加え、チュニジアもスタイルはヨーロッパ的だ。アフリカ勢というと、今大会に出場する国でいえば、南アフリカ、セネガル、ガーナ、コートジボワールなど、個々の選手たちの高い身体能力を生かしたサッカーをイメージしがちだ。しかし、チュニジアは一線を画す。これは地中海に面する北アフリカに位置するモロッコ、エジプト、アルジェリアにも言えることだが、彼らはヨーロッパ的なサッカーをしてくる。
もうひとつポジティブな材料を探せば、欧州プレーオフ組がイタリアのいるグループではなかったことだ。FIFAランクは実力ではなく目安とはいえ、同12位のイタリアが同組だった場合の気の重さを味わわなくて済んだ。
日本の試合は、初戦がオランダとテキサス州ダラス、2戦目がチュニジアとメキシコのモンテレイで、3戦目は再びダラスのスタジアムで戦う。3会場とも35度前後の高温が予想され、湿度も高いと聞く。
気候的な面でいえば、高温多湿の日本で育った日本代表には有利に働くような気がするが、ダラスのスタジアムは屋根で覆われているため室温調整が効く。メキシコでの試合会場は、屋根はないものの対戦相手はチュニジアのため、ヨーロッパ勢よりは気候への適応力はあるだろう。試合会場が違えば日本への追い風と捉えられたのだが、残念ながら風は吹いてなかったようだ。
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